ネガティブなタイトルが続きますね(笑)
こんにちは。4年の下田です。
梅ちゃんに続き、これが最後の投稿になります。
先日8月10日〜12日に北海道にて行われた七大戦で、現役を引退しました。
試合の結果は…
男子団体優勝!!!!
目標達成!本当にうれしい。
団体は春と比べてとても強くなりました。涙をのんだ東日本インカレでの敗退から2か月半、あの時の努力と反省があったからこそ得られた結果だと思っています。
1種目目のつり輪で全員着ピを決め、2種目目の跳馬でも全員立ったときは鳥肌が立ちました。特に跳馬はグループや東日本で転倒が多かったので、それは盛り上がりました。
しかしそれよりも何よりもうれしかったのは、3種目目の平行棒で僕がミスしてしまったあと、後輩たちが完璧すぎる演技をして全員10点以上をたたき出し、ミスを完全にカバーしてくれたことです。これぞチーム力!みんな本当にありがとう!あのときすでに泣きそうだったよ(笑)
その後もミスがでてもカバーしあい、団体としてはこれ以上考えられないほどの演技をし、312点を叩き出して優勝しました。もちろん自分たちの今季最高得点です。
自分の演技には不満しかないけどもその代わり後輩たちの成長と強さを感じられて、優勝までさせてもらって、最高すぎる引退試合でした。
最終種目のあん馬の演技を終えて審判にお辞儀をした瞬間、これまでの部活での日々と抑えていた感情が止められなくなって、号泣してしまいました。その後にまだ4人も演技者を残していたのに!風格ある主将には最後までなれなかったみたいです(笑)
思い返すとこの一年は「主将」とは何かということを考え、悩んだ年でした。
僕の知っている歴代の主将は、エースとして圧倒的な体操のうまさで部を引っ張ったり、リーダーとしての風格があって芯を強く持っていたりと、「この人についていこう」と思える人たちでした。
それに対して僕は、体操が上手なわけでもなければ、強いリーダーシップも風格もない。さらには学科が忙しくて部活に思うように顔を出せない時期もある。いうなれば
「弱い主将」です。
主将になった一年前、僕は不安で仕方ありませんでした。はたしてこんな主将にみんながついてきてくれるのだろうか?主将決めの後も「梅山と下田、七大の点数が高いほうが主将をやったら?」と言われ、それが冗談と分かりつつも、やっぱりみなの根底には実力至上主義があるのだとプレッシャーを感じたりもしました。そんなときに多映さんが言ってくれた
「主将に正解はないよ」という言葉でハッとしました。
体操はうまいほうが説得力があるし(めっちゃうまくなりたかったし)、リーダーとしての強い意志と決断力だってあるに越したことはない。もちろんそうなるための努力は怠ってはいけない。でも、それだけが主将のあるべき姿だなんて誰が決めたんだ?自分にできることをやろう。いや、自分にしかできないことをやろう。そう思いました。
まず、部員たちから意見を聞き上達できる環境を整えようと思ってみんなが発言しやすい雰囲気を心掛けました。
また、閉鎖的な東大体操部はもっと外部とつながって学んだほうがいいと思い、慶應体操部との合同チェックを行ったり、亀山耕平選手や武田一志選手からお話を聞く機会を設けたりしました。法政との合同チェックは完全に向こうから提案してもらったけど、あれもできてよかった。今思うと、どれも本当に相手に恵まれました。今後もよい関係が続いていくといいな。
しかし、もちろん失敗することもありました。
みんなの意見をちゃんと聞こうと思ったら、ミーティングでいろいろ意見が出すぎてまとまらなくなって、「上がふらふらしていると、下が不安になる」と言われてしまっこと(今思えば、それをきちんと言ってくれる後輩がいたことはとてもありがたいことでした。)。
良かれと思って軽い気持ちで始めたことから、部の雰囲気をぶち壊しかねない事態に陥ってしばらく精神がぼろぼろになってしまったこと。
僕らの代の緩い雰囲気のせいで、OB・OGさんたちへの礼儀がおろそかになる部員が出てきて危機感を抱いたこと。
せっかく再入部してくれた先輩が結局やめられてしまったこと…。
もう、挙げはじめたらきりがありません。言ってはくれなかったけど、僕のやり方に不満を持っていた人もたくさんいることでしょう。
3年生までちゃらんぽらんでやってきた僕には、失敗を通してようやく気付き学ぶことがたくさんありました。
答えの出なかった葛藤もありました。
しかし、失敗したら気付かせてくれ、葛藤したら一緒に考えてくれる仲間がそこにはいました。
詳しくは前回のブログ(http://todai-gym.jugem.jp/?eid=1251816)に書きましたが、団体での全日本インカレ出場を目標に努力した半年間も、最高の思い出です。
さて、そんな一年間の集大成として迎えた今回の七大戦。うれしいことがたくさんありました。
まずは何と言っても男子団体優勝。団体メンバーの出来は本当に感動しました。
ノーミスで高得点をたたき出した奈良と洸太。後は安心して任せられると思いました。東大体操部は間違いなくもっともっと強くなる。
肩の怪我で直前まで動けず前日にも足首を負傷したのに6種目通し切った和毅。宣言通りケガした人たちの星だった!怪我を感じさせない意志の強さに感動しました。
大学初めで唯一団体入りし、安定した演技を見せ、平行棒で5位入賞した直。入賞ほんとうに嬉しい!最後に抜かされちゃった!直自身が入部のきっかけにしていた「大学初めのかっこいい先輩」になっていました。
一年生ながら、圧巻のDスコアで6種通し切って、全種目10点越え、個人総合3位の慎吾。つよい。メンタルもフィジカルも。つよいのにかわいいのもすごい(笑)
そして、チムリとして一緒に回ってくれたほーちゃんと樹。おかげさまで演技に集中できた。本当にありがとう!
団体以外にも、
部を続けられなかった同期たちがはるばる北海道まで応援に駆けつけてくれたこと。
春から体操を始めた一年生たちが緊張しつつも、しっかり練習でやったことが出せていたこと。
経験者の一年生たちがびっくりするほど平常心で貫録すら感じたこと。(わっきー、宣言通り下田の記憶に残る演技だったよ!)
梅ちゃんの最後の演技にチムリとして一緒に回れて、ツカハラの着地を一緒に喜べたこと。
マネージャーのゆうなちゃんがアップの一本一本までビデオ撮影してくれていて、有能すぎて感涙だと話題だったこと。
怪我で休部すら考えていた裕斗が「来年は団体に入ったる」「下田さんを追いかける」と復帰宣言してくれたこと。
いつきが、「下田さんが主将だったから、大学に入ってまた体操のおもしろさに気づくことが出来ました」とメッセージをくれたこと。
そして何より、みんなが楽しそうに体操をしていたこと!!!
ほんとうに嬉しいことばかりでした。不安で悩んでばかりの1年でしたが、今は主将をやらせてもらえてよかったと心から思います。
「この後輩たちなら後を任せても大丈夫」「これからが楽しみ」と感じることが多々あり、最後のミーティングでは、非常に明るく穏やかな気持ちでした。和毅主将率いるこれからの一年間、本当に応援しています。
僕と違って下級生のころから意見をもって過ごしてきた部員が多いです。まとめるのは大変だと思いますが、みなの意見はしっかり聞いて、通すところは和毅の意見を通して、長いようで短い一年を全力で駆け抜けてほしいです。
さて、
小さいころから運動が苦手だった僕がここまで部活を続けて来られたこと、正直びっくりしています。長い4年間、怪我で思うように動けないこともありました。部活以外のことが楽しくて気持ちが離れそうになったこともありました。
でも、不思議とやめようと思ったことはありませんでした。
それは
体操という競技がこのうえなく楽しかったから、そしてともに上達しあう東大体操部の仲間がいたからです。
月並みな表現ですが、心からそう思っています。
嘘だと思う人は一度東大体操部に入ってみたらいい(笑)
4年間を共に過ごした部員のみんなには本当に感謝しています。
悩んでいるとき相談に乗ってくださったコーチや先輩方。
ちゃらんぽらんな僕をいつも引っ張ってくれた同期。
主将と呼んでくれて、これまで付いてきてくれた後輩たち。
改めてお礼を述べて、最後のブログを終わりにしようと思います。
ありがとう。最高に充実した4年間でした。
4年 下田悠太