この記事をご覧の皆さんこんばんは、コーチの福田です。
部員紹介第2弾になりますが、前回の投稿で1つわかったことがあります。
それは意外と紹介文が短くてあっさり読めてしまうことです。
下書きの段階では「こんなに書いたら読むの面倒臭いかな?」っと思っていたのですが、なんということでしょうブログを見ると「え?こんだけ?」という量になりました。
しかし、あれ以上細かく書くと下書きでの労力が若干辛くなるので、部員紹介以外に雑談的な事を書いて記事の文字数を盛ろうと思います。
では部員紹介を書く前に雑談にそれます。
今回は3年生の原田が教えてくれた「エフィカシーとプライド」について書きたいと思います。
原田は運動における、生理学、心理学、機能解剖学等を率先して調べているので、こういう知識がまだ乏しい私にとってはとても頼りになる存在です。
まずこの話におけるそれぞれの言葉の意味するところは、エフィカシーが「自己の能力の自己評価。ゴール達成に向けて自己が達成できる能力があると自分で評価する」、プライドが「誇り、自尊心、自負心」です。
トップアスリートの多くはエフィカシーが高いそうです。
原田はタイガーウッズの話を例に挙げてくれたんですが、ウッズは最終ホールで2位に1打差で勝っていて、相手がパターを決めてウッズがはずすとプレーオフになる場面で、ウッズは相手がパターを決めた後パターを決めて勝つ姿がイメージできていたそうです。
相手のパフォーマンスはここで決めることができると評価し、自分のパフォーマンスはそれを越えることができると評価しモチベーションの高い状態だったのですが、結果は相手がはずしてしまい、ウッズは優勝できたのですが、イメージしていた自分になれなかったのでモチベーションが下がってしまったそうです。
ゴルフと体操は直接相手と対戦することはなく、スコアで争うという点が同じなので、このケースは割と体操に置き換えやすくて、例えば私の場合は競技力が近い相手と順位や出場選手選考、種目別入賞などを争う場面になった時、基本的に相手のミスを期待する気持ちが沸いてきます。
これはこの場面で本来の達成するべき目標(相手のベストパフォーマンスを自分のベストパフォーマンスで上回る)に対して目標を低く設定しているのでエフィカシーの低さが伺えますね。
正直エフィカシーについてまだまだ掘り下げることができていないのであまり確信的なことは言えませんが、自己能力を過小評価して達成しても成長に繋がらない目標を立ててしまったり、逆に過大評価して必要以上に危険を伴う目標を立ててしまう等をしてしまいエフィカシーが低くならないようすれば良いのかな、と思います。
何ができて何ができないかを自己評価して目標を立て、エフィカシーを高くして練習や試合に臨んでいきたいですね。
改めて言うと当たり前のことを言ってるだけな感じですが、この当たり前だと思っていることはエフィカシーという言葉で表現できるということが認識できれば今後の練習や試合で役立つと思います。
後編の「プライド」については次回の投稿で書きたいと思います。
今回の紹介する部員は3年の中津川です。中津って呼んでます。
【床】後方伸身宙や前宙1回ひねり、ねこ宙など構成に入れておきたい技は持っているので、バク転をはさむことや前宙1回半ひねりを練習中です。
ロンダートの踏み込みが不十分なのか着手が浮いているので、後方宙の回転力が不安定で以前は1回半ひねりも成功していたのですが、現在封印中です。来週の合宿でピットがあるので封印を解くかもしれません。
まあ何にせよロンダートが良くなっていかないといけないですね。
少し話しがそれますが、ロンダートーバク転ーバク宙の流れを、大学から体操を始めた部員の多くが目標にしていることに最近気づきました。
最近の床演技の傾向として、バク転をはさまずにロンダートから宙返りをする選手が増えています。
単発の大技よりひねり技の連続をしたほうが加点が取りやすい為バク転の必要性が無くなっている(?)と思われます。(ロンダートからサルトやルドルフを繰り出す猛者もいますし)
内村君や白井君など日本の床が強い選手はバク転をはさんでいますが、、、
逆に加藤君や順天堂大学の早坂君、コナミの白井君なども床のスペシャリストですがバク転してるところを見たことないですね。
日本だけでなく、世界でもバク転をはさまない選手が多く存在していますが、中国人選手でバク転をしない選手をまだ見たことがないので、そういう選手が出てくるかどうか楽しみにしています。
そんな中、やはり体操をやっているからにはロンダートーバク転ーバク宙くらいはできるようになりたい、欲を言えばダブルやサルトをやりたいという目標は部員の多くが持っていると思います。
ただ現状として部員の多くが後方系の技を苦手にしています。
以前から部員の投稿でしばしば「後方系のひねりも流行ってほしい」とか「後方系も練習しよう」など、後方系の発展を促す呼びかけはありました。
後方系はみんなやりたい、でも流行らない理由を挙げると、「後ろに回る恐怖が何よりも勝るから」、「難度の高い後方系技の必要に迫られないから」、「前宙1回ひねりの方が終末技用に必要」等が挙げられます。
私もコーチになるまでは後方伸身宙を覚えれば4年まで戦えるから、ひねりやダブルは優先順位を低く考えていました。
東日本インカレ以外の競技会の変更規則だと、C難度未満でも終末技に加点が付くので、全て着地を決めることができる技を使うのが点を出したい時のセオリーになります。
しかし、コーチになってからはそれを理由に後方系の練習を軽視するのも、体操という競技を楽しむ上で偏っていたと考えを改めました。
最近は後方系の基礎となる運動を掘り下げてメニューを考えています。
まず質の高いバク転ができるようになる為に、肩と腰の柔軟性は備えていてほしい性能です。
大学から始めた部員はかなり苦労しますが、毎日続けるのと続けないのでは長期で見た時に雲泥の差があるので手を抜かないでほしいです。
個人的には肩と腰を同時に柔軟できるブリッジがオススメです。
ただし無理をすると逆に痛めてしまうのが柔軟の恐い所なので、ある程度柔らかくなるまでは肩と腰を分けて柔軟しましょう。
ブリッジで肩と腰をしっかり入れて美しいアーチができるようになってきたらバク転の質も比例して上がるでしょう。
壁を使って前・後のブリッジをすることは、どれくらい柔らかくなったかの指標にできますし、バク転で手を着いた時の練習にもなるので、バク転の直前練習としてオススメです。
すでにバク転ができる人は、柔軟と並行して連続バク転の回数を増やしたり、連続バク転からバク宙、倒立からコルベットーバク転をしてみましょう。
これはロンダートによる勢いがない状態でどれくらいバク転をコントロールできているかの目安になります。
ロンダートからだと一見勢いもついてバク転を助けてくれそうですが、勢いによってロンダートのコルベットが乱れやすいので、バク転の膝が抜けてしまったり、逆に必要以上に跳ねてしまって浮いたりしやすいので、コルベットもバク転もコントロールできていない段階ではロンダートーバク転はつまづきやすい技術です。
宙返りについても、前・後とも勢いがつくことで引き上げや回転をつける技術が不十分でも成立してしまうので、発展の為には必要な技術が疎かになりがちです。
前・後ともトランポリン、台の上から、ロイター板、スタンディングなど、勢いが少ない状態で、胸を中心に引き上げる意識や、回転をつける為にタックルを速く小さくすることを意識することが発展技を練習する為に不可欠になります。
身体能力が足りないから勢いをつけないとできないと思っている場合でも、結局スタンディング系でできる身体能力を身につけないと、勢いがついた状態の発展も頭打ちになります。
ロンダートからバク転、宙返りと別々の技術を一つに繋げる難しさがあるので参考にしてメニューを組んでみて下さい。
全部を完璧にできるようになることが必要なのではなく、できるようになる為に身体能力と技術を上げていくことが必要です。
かなり話しが脱線してすみません、中津の紹介に戻ります。
【鞍馬】長い間手首を痛めていたので、鞍馬の練習自体あまり見たことがありませんでしたが、最近は鞍馬を練習している姿をよく見るようになりました。
思い返せば中津は6種目を平均的に練習している印象で、秀でている種目がない代わりにオールラウンドに点が取れる良い選手になってきたのも努力の賜物ですね。
コーチになってから一番練習方法を試行錯誤しているのが鞍馬で、競技年数が少なくても質の高い旋回や交差ができるようになる為に思案しています。
中津は元々鞍馬が苦手だったのでまだまだ質は低いですが、旋回が続いている姿もよく見るようになりました。
最近初めて横移動が成立した場面もあったので、春までに伸びしろのある種目になってます。
【吊り輪】後ろ振り上がり十字で振動静止技の要求が取れるので、中津の最終的な構成はできていると思います。
終末技で後方伸身宙1回ひねりができるので、1回半ひねりに発展させてC難度を狙っています。
【跳馬】ツカハラを安定して実施できるようになる為に、毎回足首の寿命を縮めながら苦行しています。
踏み切りが安定しないのと、着手がほとんど生きていないのが難点です。
床のロンダートでも思うことですが、着手からコルベットの流れで腰を曲げて足を下ろすだけになってしまっているので、ツカハラも似た感じです。
逆に今これをほとんどできてない状態で立てることもあるので、できるようになってくれば必ず安定すると思います。
【平行棒】中津は支持系も懸垂系も苦手にしているので、A難度主体の構成ですがとても不安定です。
最近ようやく倒立が安定してきたような気がします。
終末技で後方伸身宙1回ひねりを使えるのですが不安定の塊です。
ハーフまでは安定しているように感じるので、A〜C難度の持ち技の中から着地が決められる技を選択していきたいですね。
棒下や移行の代わりにカットを練習させてみたいのですが、タイミングが合わなくて1ヶ月くらい経ってしまいました。
【鉄棒】ここ最近で1番成長が著しい種目だと思います。
中津はふくむ姿勢もすごく苦手なので、前・後とも車輪の質が低くずっと反ってる感じです。
それでも腹が据わってるというか、持ち前の勇気でツイストや移行などを勢いで成立することができています。
要因として軸腕の押しを絶対ゆるめないようにしている点が大きいです。
春先まで車輪の質をできるだけ上げて減点を減らしていきたいです。
他に、け上がり逆手持ちかえ倒立も突然コツを掴んだのか良い流れで実施しています。
そして今、中津が取り組んでいる技が車輪宙です。
まだ振り出し宙を安定して実施できるように反復している段階ですが、そろそろ車輪からいっても良いかもしれません・・・などど下書きを書いて貯めている間に車輪宙を最近覚えてしまいました。
少し前まで質の低くスイング宙をやっていたのにすごい成長ですね、若いです。
技は揃った、後は綺麗に繋げよう、頑張れ中津。
以上で中津川の紹介を終わります。
ご精読ありがとうございました。